ハンドルが軽すぎる?

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 octrun GTRを見た人はたいてい「ハンドルは重くないですか」と聞きます。私は「軽いですよ」と自慢げに話すのですが、先日の車山の試乗会で試乗した方から「ハンドルが軽すぎる」とか「過激なセッティングだ」などと言われたので驚きました。あるベテランからは「危険だから試乗会で初めての人には乗せない方がいい」というアドバイスまでいただきました。その理由は「加速減速の際に左右の方向性が定まらない」と言うのです。これはおそらく従来のサイドカーよりハンドルが軽いので加減速のときにハンドルに力が入りすぎて自分で無意識にハンドルを切ってしまっているためと思われます。要するに慣れの問題であり、私は何の問題も感じていないのですが、これから各地で皆さんに試乗していただこうと思っているのに「危険」では困りますし、初めての方に慣れを要求することも出来ません。そこで対策を考えることにしました。ハンドルが軽すぎるというのですから「普通の重さ」にする方法を考えます。

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 軽すぎるハンドルを適度に重くするわけですから、重い軽いが調整できる物でないと困ります。そこでダンピング(減衰力)調整式の油圧式ステアリングダンパーを取り付けることにしました。選んだのは写真のNHK製のアルミボデイのダンパー(価格は21,664円)で全長380ミリ、ストロークは130ミリです。図面を書いて動作をシミュレーションしてみるとストロークは120ミリあればいいのですが余裕を見ました。ちなみにCB750+GPスポーツサイドカーに付けていた同じNHK製の鉄製ダンパーは全長275ミリ、ストロークは90ミリですから、それよりもかなり大きくなっています。購入後手で動かしてみると実にスムーズな動きです。7段階調整の0位置ではほとんど油圧抵抗無しの状態。1段階で少し重くなり、2段階ではかなり重い、3段階では手で動かすのは不可能なくらい効きます。

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フォーク側のブラケットはアルミ製の組立式のものが各サイズ市販されています。GTRはノーマルフォークは外され、ステアリングロッドを動かす28ミリのパイプが垂直に延びています。ここにダンパーのフォークサイドブラケットを取り付けることにして内径28ミリのブラケット(2,822円)を購入。車体側のステーはホームセンターで適当なL字金具を購入しました。

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分かりにくいかもしれませんが、ステアリング部アンダーブラケットから延びた2本のパイプの奥側の細いパイプ下部にブラケットを取り付けます。車体側のステーは以前使っていた前部マフラーステー孔を利用します。

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 ステアリングダンパーを取付けたことのある方はご存知のように、車体に接触せず、左右のストロークを確保しスムーズに動くように取付けるのはまるでパズルを解くようなものです。GTRはカウルに覆われているので車体をジャッキアップしその中にもぐりこんで仰向けの作業が続きます。やっとのことで適切な位置が見つかり仮止めしてハンドルを左右一杯に切って動作テストをしてみます。このダンパーは本体の取り付けブラケットが固定ではなく自由に位置が動かせることと、2箇所の取付け部にピロボールが奢られているのでとても助かりました。テストの結果はどこもぶつかる所なく、スムーズな動作が確認できました。

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 ご覧のようにサブフレームと排気ディバイスの制御モーターの僅かな隙間にダンパーの調整つまみが顔を出しています。でもこのおかげで走行前に乗車姿勢でダンパーの調整ができるようになりました。
 いよいよテスト走行です。7段階調整のうち2段階でテスト開始。やはりハンドルがかなり重く感じます。今までは動かすというより無意識にハンドル操作していましたが、意識して動かさないと動きません。かといって動かした分は自然に戻るのでギクシャクすることはありません。高速道路に入ってみました。レーンチェンジはエイヤッという感じですが、急な加速減速でもハンドルは微動だにしません。路面の悪い凸凹道を通過しても鼻歌交じりで緊張感はありません。少しスピードを出してみましたが、ステアリングの自己回復性(直進位置へ戻ろうとする力)は前と変わらないのでアベレージ速度は格段に上がるのではと思いました。400kmのテスト走行の結果私も慣れてきて、最初は重いと感じたハンドルも普通の重さと感じられるようになりました。「軽すぎるハンドル」から「普通の重さのハンドル」への改良は達成できたと実感しました。今後GTRを試乗される方は安心してお乗りいただけるでしょう。
 なお、GTRのハンドリングの味付けはオクトランレーシング系統の流れから設計されたもので、今後市販されるGT型およびリメイク版サイドカーは安定性重視の設計となっています。












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素晴らしい!

素晴らしいですね、何事にも数値解析して対応する姿勢。
感だけ、経験だけで仕上げられている・・・、何かとこれからも楽しみです。
しかし、他人の話を良く覚えていますね!

Re: 海好きEML さま

> GTRの性能には自信を持っていますが、唯我独尊にならないよう皆さんの評価に耳を傾けています。もちろんできることとできないことはありますが。いただいたご意見は次の開発にも反映するよう社長の大和田にも伝えてあります。これからもご意見、アドバイスをお願いします。
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