FIランプが消えない

東北ツーリングからの帰り道時々FIランプが点灯することがありましたが、JSC長野支部一泊ツーリングへ出かけるころから点きっ放し状態となりました。現在の自動車やバイクはインジェクションその他ほとんどがマイコンにより電子制御(ECMまたはECU)されています。そして故障があると自己診断機能によりメーターにそれがFIランプ点灯により表示されます。FIランプは点滅する場合はエンジンが始動しませんが、常時点灯の場合は一応走行できます。いずれにしろ故障箇所を突き止めなければなりません。

しかしながらFI表示は故障というだけでどこが故障なのかは分かりません。故障診断といってもその内容は百項目以上もあります。SUZUKIの大手デーラーにはSDSツールが備えてありコンピューターにより故障場所や内容を表示させることができます。普通の修理やさんや個人ユーザーにはそんなものありませんが、特殊工具のモードセレクトスイッチ(通販で1171円)を使えばデイラーモードで故障箇所を特定することができます。

シート下の専用カプラーにモードセレクトスイッチをつなぎ

スイッチを入れたところC46と表示されました。マニュアルにある故障診断コード一覧を読むと、EXCVA(エキゾーストコントロールバルブ)の故障と出ました。

エキゾーストコントロールバルブ(通称排気ディバイス)とはスポーツ車の低速トルク不足を改善する装置で、写真のように排気集合管の後ろに付いています。この中に円盤のような物が入っておりサーボモーターによって開閉する仕組みです。
これの故障となるとサーボモーターの入った高価なアクチュエーターユニットか、ワイヤーか、エキゾーストバルブかということになります。ワイヤーの遊びは調整してみましたが改善されません。ではアクチュエーターユニットかと思い、何気なくワイヤーを外した状態でイグニッションスイッチを入れたところワイヤーが巻き取られてロックしてしまい、にっちもさっちも行かなくなってしまいました。

あわや高価なモーターの破損か?ドキドキする胸を沈めながらアクチュエーターユニットを分解するとカチャッと音がしてロックが解除されました。プラスチック製の平ギヤも無事でした。サーボモーターは動くことが確認できました。残るはエキゾーストバルブです。ワイヤーを外した状態で回してみるとある所でひっかかってそれ以上まわりません。ははあこれが原因か?なぜ動かなくなったのかは不明ですが、熱膨張の繰り返しによって円滑にまわらなくなったのかもしれません。プーリーにはナットが付いていて締め代が調整できるようになっています。何度かの調整でやっとスムーズにまわる位置が見つかりました。このあとマニュアルどおりに1号ワイヤーのインナーケーブルの長さを42~43mm、2号ワイヤーを同じく60~61mmに固定。すべての部品を取り付けます。

イグニッションスイッチを入れ、モードセレクトスイッチをONにするとC00(故障無し)と表示されました。エンジンをかけるとFIランプは消え、スロットル開度に応じてエキゾーストバルブが開閉しています。一時はどうなるかと冷や冷やしましたが修理は無事終わりました。10kmほど試乗してみるとスタートや坂道発信が力強くなっていると実感できました。ちなみにFIランプを無視して走り続けるとインジェクションが4速ホールドとなりエンジン出力や燃費の低下などの影響がでるそうです。10月4日5日はJSCオータムミーティングin山中温泉ですがこれで安心して参加できそうです。
OCTRUN 営業 野地
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